Fireworks
- 2015/08/02
- 17:12
澄んだ夜空に大輪の花が咲く――。自分へのご褒美も兼ねての長期休暇から帰ってきて、最初の仕事がここ、釜山で。しかも同じ日にヨンファも釜山にいるなんて。普段ソウルにいたって、ほぼすれ違いの私たちなのに・・・・・。「そんな偶然あるものなの?」って、電話口で笑い合ったのを思い出した。“その日さ、花火が上がるんだ。 10月の花火大会ほどじゃないけど、綺麗だよ”一緒に見ようとか、そんな甘い言葉はない。例え二人きりじゃなくて...
I WISH
- 2015/06/22
- 00:00
特別な――――今日は一年に一度だけの特別な日。「おめでとう」「ありがとう」ゆらゆらと揺れるオレンジの炎の奥で、シネが優しく微笑んでいる。「早く消して?」急かすようにロウソクを指差すから、俺は目を瞑り、手を組んでから、ふっと息を吐いた。「気に入ってくれるといいけど・・・」なんて言いながら、差し出した小ぶりな箱。綺麗にラッピングされたリボンの中には、俺好みのゴツめのリング。「・・・サンキュ」さっそく嵌めた指を、曲げたり伸...
melody【後編】
- 2014/09/22
- 07:57
規則正しい寝息を立てる彼女の顔にかかる髪をそっと直して、見つめる。身体中には赤い花弁が咲いていた。吸いつく度に背中を反らせ、ここがいいって教えてくれる。以前と変わっていなかったポイントに密かにほっと胸をなで下ろした。離れている上に、俺の仕事のせいで普通の恋人同士より寂しい思いをさせているのはわかってる。前にごめんって言った俺になんで?って怒った君。その時2人で決めたんだ。もう、謝らないって。さっき...
melody 【前編】
- 2014/09/21
- 22:05
インターホンを押す指が震える。・・・・・カチャ。開いたドアの隙間から彼が顔を出す。にこっと笑う彼に微笑み返し、後を追うように中に入った。ドアを閉めた途端、壁に押し付けられ次第に目の前が暗くなる。「・・・んっ・・・ふっ・・。・・・ヨ・・・ンファ・・・・・・。」逃げても逃げても執拗に追いかけてくる彼の舌に、堪えきれずに声が漏れる。チュッと音を立ててようやく離れた頃には、彼の腕にしがみついて立ってるのがやっとだった。----------こ...